西洋哲学史

『西洋哲学史』を購入する(B.ラッセル.市井三郎訳,みすず書房).3分冊のうち分冊2がまるまる中世哲学にあてられていることにおどろく.
分冊1,古代哲学編を先だって読了する.プラトンおよびアリストテレスのこきおろされっぷりが新鮮だった.とくにプラトンの扱いたるや,「わたしは彼を理解しようと願っているが,彼があたかも現代イギリスあるいはアメリカにおける,全体主義の擁護者であるかのように,できるだけ敬意を払わずに彼を扱おうと思うのである」と著者みずからがいうだけのことはある.また,ソクラテス以前の哲学者たちやオルフィック教徒(オルフェウス教),プラトンの理想国のモデルであるスパルタ等,哲学においては周縁的であろうトピックに多くのページが割かれている.読んでいていろいろと蒙をひらかれるおもいがした.
よくもわるくも偏りがあって面白い.